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今回は、元蔵の養子となった団作(のち団助と改名)について。
藩校明善堂教授助であった本庄一郎手記の「柳原御内試業録」※によれば、 天保14年(1843)12月に行われた明善堂の学業内試において、 勉学に励んだとして「出精」候補の一人として名前が挙がっています。 候補者の内訳は、学生356人中、「出精」が55人(15.4%)、その上の「格別出精」は31人(8.7%)、さらに上の「格別出精上達」は16人(4.5%)でした。 選抜者の合計は102人(28.6%)と三割にも満たない数ですから、 なかなか優秀だったといえるのではないでしょうか。 同じ出精者の中には、櫛原一丁目筋に住む分家筋の坂本新八や、 四日市事件で処罰された加藤喜一郎、 殉難十志士の一人久徳与十郎などがいます。 因みに、格別出精上達者の中には、 尊皇攘夷運動の志士として高名な水天宮の神官真木和泉守がおり、御前開講9人の中にも選ばれるなど、勉学抜群であったことが分かります。 このように出精として坂本3家の中から2名が選抜され、 二ヶ月後の翌天保15年2月には、武術(馬術)出精として元蔵自身が銀一枚を下賜されていますから、父子ともども喜びもひとしおだったのではないでしょうか。 ※久留米市役所編 1932『久留米市誌』上編、625-631頁に抄録。
by tarov-e-log
| 2010-03-21 09:51
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